図書が届き始めて1年ちょっと。

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当初用意した本棚いっぱいになりました。
THE本棚、です。(西日がおそろしい)

図書が届き始めて一年ちょっと。
ここで、「ひなのやのちいさな図書館」について
あらためて詳しくご案内させていただきます。

「ひなのやのちいさな図書館」は
京都の丸太町にある誠光社さんという本屋さんに
毎月定額でテーマごとに選書いただいたものを購入し、貸し出しを行っています。
選書されてやってくる本は普段私たちが目にしない本ばかりです。
この近くの書店に同じ本があるかどうかは定かではないですが、
あったとしても自ら求めに行くことはなかった本に出会えます。

2015年4月から始まり、現在13か月分、
図書総数159冊という、立派な本棚に成長しています。

図書は食や住まいなど身近なものをテーマにしたものから
写真やアートなど、ちょっと崇高に感じるジャンルのテーマのものがあります。
洋書、古書、ハードカバー、文庫と混在しながら
一つのテーマから広がる世界が本によって具現化され、ここにやってきます。
これを誠光社さんは「編集」と呼んでいるそうです。
この手法での選書により
全く自分の発想にはなかった価値観や世界観に触れることができる本棚になるのだと思います。

お子さん連れが多いということもお伝えしているので、絵本も多く入荷しています。
が、どれもひねった選書なのか、大人がみても楽しめるものになっています。
できるだけ読みやすく絵や写真が多いものを意識して選んでいただいているようにも思います。

ちなみに本は1,000円そこそこのものから高額なものは今のところ8,000円と幅広いです。
高額なものはサイズや装丁、中の紙や絵が美しく、
本は内容だけでなく本そのものを見て触って楽しむものでもあることに気づかされます。

選書してくださっている誠光社の代表である堀部篤史さんは
昨年の秋に誠光社を開く前までは
同じく京都の「恵文社一乗寺店」という
イギリスのガーディアン紙「世界の素晴らしい本屋さんベスト10」に
唯一日本から選ばれた本屋さんに20年弱勤めており、
そこで長く店長として恵文社を育て支えてきた方です。
恵文社といえば堀部さん、と言われるくらい
恵文社には欠かせない存在だったのではないかと思います。

恵文社一乗寺店は、本屋さんですが雑貨の販売もされており、
そこで当店のパン豆も取り扱っていただいています。
そのため、ちいさな図書館の選書のお願いをしやすい環境にありました。
選書を担当してくださった堀部さんが独立され、
そのまま選書を続けてくださるというお申し出をいただき
今は誠光社さんで選書をお願いしています。

「本屋は街の光です」※誠光社HPより
と、堀部さんはおっしゃっています。

一冊の本はこんなに小さなサイズなのに、
とんでもないスケールの世界が詰まっています。
人生で出会うことのなかった
人の言葉や人生に触れることができるのです。
生物や国や文化を知ることができます。

田舎になるほど
人の絶対数は減るので、多様な価値観に触れる機会は減ります。
それでも本は、軽々と世界を移動し、多様な価値観に触れる機会を与えてくれるのです。
私たちには知らないことが沢山あって、本の中には知るチャンスがある。

ひなのやのちいさな図書館は
「ちいさな」と名付けている通り規模は小さいです。
それでも私たちなりに、この街に小さくても光をつくりたいと思い、
これからも少しずつ、できる範囲で本を増やしていこうと思います。