2012年7月19日

針塚的感性

先日、印鑑証明書をとるために西条の法務局へ行ったのですが、

敷地の隅に、針塚の石碑があるのを発見しました。

元々、西条実践女学校があった場所らしく、

当時の女学生さんが使った縫い針の塚なんだと思われます。

 

こういう、道具に対する愛着というか、感謝の念というか、

実に日本的。

針なんて、ほんとにささやかな道具じゃないですか。

1本いくら、というより、グラムいくらで流通してそうな勢いなのにね。

 

でも、針1本ないと縫物ができない → 衣服を作れない → 困る

だから、自然と大切に扱い、感謝の念を込めて、塚を築く。

 

フト、思ったんですが、

針にお墓を作ってあげる国なんて日本以外にあるのかな?

ためしに、インフォシーク翻訳で「針塚」を英訳してみたら、

「Needle mound」が出ました。

moundo自体には、古墳とか遺跡という意味もあるから、

英語圏でも針塚ってあんの??と思って、逆にNeedle moundを和訳したら、

「針マウンド」

これじゃぁ、チクチクですね。

 

この前、スポーツニュースを見ていたら、

元大リーガーの大魔神佐々木選手が、アメリカの選手は新品グローブを

柔らかくならすのに、電子レンジでチンして使う、とか、

手入れしている選手は見たことない、なんてコメント出してましたが、

やはり、たぶん、日本には他国に比べて、身の回りやモノに対する感性が

かなり細やかなんだと思います。

 

近年、モノづくりの現場がどんどん海外にシフトしているようですし、

加えて、海外新興メーカーに製品評価そのものでも、後塵を拝するケースが

出てきているようです。

そういう時代なのかもしれませんが、そういう海外の現場や、新興メーカーに、

針塚のような感性や、価値観ってあるのでしょうか?

翻って、製品の受け手である消費者も、針塚的感性が少し鈍ってきてませんか?

 

無ければ買えばいい、とか足りなければ足せばいい的な、安直な思考。

 

製品の作り手でもあるひなのやは、針塚的感性や価値観をお届けできるような、

そういう会社になりたいです。

 

印鑑証明を取りに行くだけでも、なかなか大変です(苦笑)。