2021年11月1日

    ハロウィンに間に合わなかったコラム

    20代の頃、会社員をしていた時の話ですが、
    当時、僕は電機メーカーの半導体事業部に所属していて、
    主にアナログテレビ用の半導体をお客様に提案する仕事をしていました。

    みなさん、「アナログテレビ」ってわかります?
    テレビ放送電波の、「アナログ信号」を受信して画面が映るのがアナログテレビです。
    いまはもう、アナログ信号は停波していて、
    すべてデジタル信号を受信するデジタルテレビに置き換わっています。

    とはいえ、電波は見えないのでいまいちピンときにくいと思いますのでもう少し補足すると、
    われわれ一般生活者の目線でいくと(正確には違うのですが)、
    ブラウン管テレビ(あの昔の奥行のでっかいやつ)が、アナログテレビ。
    いまの薄型の液晶テレビがデジタルテレビ、とイメージしてもらえればわかりやすいかと思います。

    で、僕は主にブラウン管テレビ向けの半導体を扱っておりました。

    その頃のテレビ開発(主に画作り)は、
    ソニーとか東芝とか各家電メーカーごとに結構個性がありまして、
    なぜかというと、ざっくり説明ですが、
    アナログテレビはブラウン管の中で光を飛ばしてモニターに画像を投影する
    という仕組みなので、いわば「光を操ること」が各社の技術の粋だったわけです。

    「光」という自然のものをブラウン管の中という「空間」を飛ばして画をつくる。

    そんな、ほとんど魔法のようなことを各社はやっていたわけです。
    魔法作りのしのぎを削っていたのですから、自然とその技術(魔法)は門外不出な感じになり、
    結果、各社で画作りの個性が生まれていたわけです。

    他方、現在のデジタルテレビは小さなライトの集合体である液晶モニターの電源を
    ライト毎にON-OFFするだけなので、魔法と呼ぶにはちょっと役不足。
    (なんて書くとDTVの開発の人に本気で怒られそうですけどね。DはDで大変です)

    なので、一定程度の性能がある半導体や液晶パネルを仕入れて組み合わせれば、
    そこそこの画が映るテレビができちゃうのがデジタルテレビのすごいところで、

    そのためで技術力の低い新興メーカーでも液晶テレビをバンバン世にリリースするようになり、
    結果、日本のテレビメーカーはダメになってしまいました。

    少々強引な見立てかも知れませんが、
    ご縁あって、いま身を置いているお菓子業界でも、
    最近なんとなーく、デジタルテレビ的な商品づくりがポピュラーになりつつあるような気がします。

    この10年で生産技術やら冷凍技術やらが目覚ましく進歩して、
    結構大手の大量生産品でも格段に美味しくなってきてますし(コンビニスイーツ)、
    我々のような零細事業者でも、ネットを開けばノウハウのあるレシピがすぐに入手できるし、
    誰でもすぐにそこそこ美味しいお菓子が作れてしまうようになりました。

    そしてさらに、近年はそこへ「デザイン」という要素がスッと入ってきて、
    商品や素材の背景、素材そのもの、作り方、消費の仕方までがきれいに編集されて、
    マーケットに投じられていく。

    こういう一連の高効率な流れを、「モノづくりのプラットフォーム化」といいます。

    今回のコラム、ハロウィンに合わせて投稿しようと思っていたのですが(魔法つながり!)、
    思いのほか、この週末力尽きてしまって、月をまたいでの更新になってしまいました。

    僕のこのコラムもうまくプラットフォーム化できればいいのですが、
    なかなかそうはいかなさそうです。仕方ないです、僕が書いているので。