敷地の隅に、針塚の石碑があるのを発見しました。
元々、西条実践女学校があった場所らしく、
当時の女学生さんが使った縫い針の塚なんだと思われます。
こういう、道具に対する愛着というか、感謝の念というか、
実に日本的。
針なんて、ほんとにささやかな道具じゃないですか。
1本いくら、というより、グラムいくらで流通してそうな勢いなのにね。
でも、針1本ないと縫物ができない → 衣服を作れない → 困る
だから、自然と大切に扱い、感謝の念を込めて、塚を築く。
フト、思ったんですが、
針にお墓を作ってあげる国なんて日本以外にあるのかな?
ためしに、インフォシーク翻訳で「針塚」を英訳してみたら、
「Needle mound」が出ました。
moundo自体には、古墳とか遺跡という意味もあるから、
英語圏でも針塚ってあんの??と思って、逆にNeedle moundを和訳したら、
「針マウンド」
これじゃぁ、チクチクですね。
この前、スポーツニュースを見ていたら、
元大リーガーの大魔神佐々木選手が、アメリカの選手は新品グローブを
柔らかくならすのに、電子レンジでチンして使う、とか、
手入れしている選手は見たことない、なんてコメント出してましたが、
やはり、たぶん、日本には他国に比べて、身の回りやモノに対する感性が
かなり細やかなんだと思います。
近年、モノづくりの現場がどんどん海外にシフトしているようですし、
加えて、海外新興メーカーに製品評価そのものでも、後塵を拝するケースが
出てきているようです。
そういう時代なのかもしれませんが、そういう海外の現場や、新興メーカーに、
針塚のような感性や、価値観ってあるのでしょうか?
翻って、製品の受け手である消費者も、針塚的感性が少し鈍ってきてませんか?
無ければ買えばいい、とか足りなければ足せばいい的な、安直な思考。
製品の作り手でもあるひなのやは、針塚的感性や価値観をお届けできるような、
そういう会社になりたいです。
印鑑証明を取りに行くだけでも、なかなか大変です(苦笑)。